共通の目的を果たすための連携ができる、 “一人で戦わない”強い組織へ。
株式会社スパイスボックス様[デジタル領域のマーケティング・広告コミュニケーション業]
変革期のデジタル総合広告会社。執行役員の連携強化が大きな課題に。
企業やブランドへの好意や共感醸成を支援するコミュニケーションカンパニー、株式会社スパイスボックス(博報堂グループのデジタル総合広告会社・従業員数:約 100人)。
市場環境の変化によりこれまでの営業基盤や顧客基盤からの改革が必要になり、執行役員制をとることで事業の機動力を上げる戦略を取った変革期。執行役員それぞれで明確な担務がある中で、執行役員同士が担務を超えて連携すること、協力し合うことが組織力向上のために必要であるという課題意識がありつつも、どのような連携を具体的に行なっていくのがよいのか分からなかった。LifeStocksは執行役員チームに対してチームコーチングを5ヶ月間実施。結果的に執行役員それぞれが自身のミッションを果たしながらも、互いに連携し、シナジーを生むチームへと変容した。
課題解決へのソリューション
執行役員を対象に、チームコーチング(月1度・5回のセッション)を実施。
対象となった執行役員の当初の状況
各自の執行担務を全うすることに意識が向いていたため、各担務を超えた連携の必要性を感じつつも、連携方法は明確ではなかった。
チームコーチング概要
執行役員チーム6名個別にヒアリングを実施。チームの状態をアセスメントした上で、セッションのデザインを行った。
まず、セッションの場を安全な場とするための協働関係の構築とセッションで目指す姿の対話と合意形成。
目指す姿に向かうプロセスとしては次の通り:
①チームの現在地を全員で捉える
②目指す姿に向かう手前にある抵抗感等も含めてあらゆる声を全員で聴き届ける
③関係性の土壌が耕されてきた段階で全員で未来を描き、チームが持つ可能性を知る
④自走化に向けてのディスカッション
注*コーチングプランは不変なものではなく、チームのコンディションに合わせてセッションごとに調整します
参加メンバーのディフェンシブな状態が続く。
- 初期段階はどのように感じていましたか?
-
最初は、期待通りではありませんでした。というのも、時期として執行役員になってまだ間もない頃で、自身の執行担務の実施に慣れていない、執行役員間での連携も必要以上にできていなかった状態がありました。そういった日常の状況や雰囲気などがチームコーチングのセッションの場にも現れて、参加メンバーがセッションを様子見するといったディフェンシブな状態が続いていました。
3回目のセッションで、 自分たちが何をしたいのかという意思が立ち現れてきた。
- 何が変容のきっかけとなったのでしょうか?
-
セッションを続けるにつれて関係の変化が見られてきました。3回目のセッションは特に印象的でしたね。担っている執行役員という役割を置いて、あらゆる役割や立場に立ち、声を出すというワークをやったんです。普段自分の役割を置くということはしないのでセッションならではの体験でしたが、これで一気に視野が広がりました。組織を取り巻く状況を肌で感じたことで、改めて執行役員である自分たちはどんな存在で、何をしたいのかが立ち表れてきました。皆共通して「会社を良くしたい」「皆がやりがいを持って幸せに働いて欲しい」という想いがあったことに気づいたんです。セッションの後にも別途時間を設け、どうしたら自分たちの描く理想の組織になるのかを話し合いました。
その後、4回目のセッションで数年後の会社を想像し、体感覚で経験するというワークをやりました。実はこの頃、業績が思うように上がらない時期で、これは仕組みを変えていかないといけないとマズイぞという状況があったのです。セッションを通して自分たちが主体となって、チームとして推進していかなければいけないという機運がさらに高まりました。自分の執行担務をどうするかという範囲を超えて、会社としてどうしていくべきなのかという視点に変わっていきました。
自走化のプロセスへ。担務を越えて、共通の目的を果たすための連携ができるように。
- セッションを経て具体的に何が変わりましたか
-
セッションを経て、定期的に執行役員で定例会議を行うことにしました。ちょうど次の期の計画を立てる時期だったので、予算策定、営業改革、組織構造をどうしていくのかを全員で話し合い続けました。その頃は自分たちがやらなければ誰がやるんだ、という使命感がありましたね。
役割分担はしつつも、全員でサポートし合う姿がありました。うまくいかないことがあってもアイデアも出ますし、共通の目的を果たすために自分の役割を越えて積極的に支え合いました。これはセッションを始める前には見られなかった連携の姿です。
結果、営業基盤などのベースが作られ、半年後には業績が大きく伸びました。
効果・成果
チームで連携する視点を得て、”一人で戦わない”が組織のベースに。
チームコーチングのセッションでは、「チームで連携するとはどういうことなのか」を体験しました。チーム視点を執行役員陣が共通して持てたことは非常に意義が高かったです。共通体験を通じて共通言語ができ、日常にも活かされていきました。自分の執行担務を遂行するということではなく、チームとしての繋がりを持っている感覚があります。これは「一人で戦わない」ということでもあるのですが、のちの組織カルチャーのベースとなりました。時間はかかっても、組織全体に波及していく期待があります。
お客様の声 Voice
本当の意味でのチームビルディングは
第三者が入り、客観的にできる状況を作らないと難しい。
当事者同士でチームになろうとしても、難しさがあります。現に私たちは執行役員というフラットな立場のはずでありながら、お互いに率直な声が出づらいということもありました。また意見の食い違いが起きた時にも、当事者だけだと対立関係になり終わってしまうということも懸念されます。LifeStocksさんに第三者として入っていただくことで普段は言いにくいことも発言できましたし、私たちが今どのようなチームの状況にあるのかをフィードバックされることで自分たちを客観的に捉えることができました。普段のチームの関係性のパターンを突破するには、第三者がいないとできなかったと思います。
セッションでは普段話さないような話題も出るので抵抗感も出やすいですが、なぜ今、何のためにやるのか、を私たちに合わせて丁寧に説明いただいたのでビジネスカルチャーに慣れている執行役員陣も大きな違和感なく参加できました。
セッションの期間中、一筋縄ではいかないこともありましたが、私たちがどのような状態であっても、LifeStocksさんは私たち執行役員陣の可能性を信じ続けてくれました。
(株)スパイスボックス 執行役員 咲本明宏さん