組織のブレイクスルーの鍵は経営陣にあり、ライフネット生命の役員向けチームコーチング
ライフネット生命保険株式会社様[生命保険業]
「正直に、わかりやすく、安くて、便利に」をマニフェストとして掲げ、インターネットを主な販売チャネルとするライフネット生命保険株式会社(以下、ライフネット生命)に、LifeStocksのチームコーチングを導入いただきました。経営陣を対象としたチームコーチングをなぜ実施し、どのような効果が得られたのか。取締役執行役員営業本部長の近藤良祐氏にLifeStocks狩野がお話を伺いました。※本インタビューは2024年5月に実施したものです
まず近藤さんのご担当領域について教えてください。
ライフネット生命のマニフェストの実現のために会社組織を牽引すること、特に担当部門である営業本部を軸に全体最適を図ることがメインミッションです。独立系生保の強みを活かしながらオンライン生保市場の拡大を力強く牽引するリーディングカンパニーとして、どのような働きかけが組織活性に繋がるのか、そこに自分がどのように貢献できるかを日々考え、取り組んでいます。
営業部門がご担当とのことですが、今回チームコーチングを受けたのは役員の皆さんでした。領域を横断してチームコーチングを実施しようとした背景はどのようなものですか?
ライフネット生命では2024年度からの中期計画を策定するにあたり、何度も役員でディスカッションを重ねてきました。ここからさらに会社としての成長を加速するにあたり、1人ひとりのレベルアップはもちろん、役員がチームとして取り組むことでより大きな成果につなげていきたいと思いました。
そこで、私自身の経験からコーチングが良いのではと考えました。と言うのも、私は昨年とあるリーダーシッププログラムに参加し、自分自身がコーチングを受ける経験をしました。コーチングを受けることで、コーチの助けをもらいながらではありますが、自発性を持って自分の中のモヤモヤしたものが晴れた感覚があったのです。この感覚を役員チームとして経験することが、自分たちのレベルアップやブレイクスルーに繋がると考えました。
役員の皆さんでこれまでも合宿をやったことがあると聞きました。今回外部に依頼しようと思ったのはなぜでしょうか?
今回は外部のプロフェッショナルにサポートしてもらうのが前提条件でした。というのも、先ほどの中期計画の策定においても自分たちではディスカッションは十分にしてきた感覚があったからです。加えてライフネット生命の役員は世代も近く、普段のコミュニケーションはスムーズです。それぞれの担当分野をリスペクトしており、お互いへの信頼関係も十分にあります。
さらなるブレイクスルーのためには自分たちが気づいていないことや見えていないことを客観的にフィードバックされることが重要であり、そうすることで自分たちの姿をよりクリアに捉える上で役立つのではと思いました。
おっしゃる通り、自分たちでその姿を捉えることは非常に難しく、個人や組織の姿を客観的に捉える際にコーチングはとても有効ですね。
今回は1泊2日の合宿形式でした。役員の皆さんからは合宿でチームコーチングを実施するということについてどのような反応がありましたか?
チームコーチングがどのようなもので、どんな効果があるのかについて、言葉をいくら尽くしたとしても体験したことがないものを完全に腹に落とすのは難しいと思います。ただ、今回は、新しいものを取り入れることは積極的に決まりました。
私自身チームコーチングは未経験でしたが、これは絶対に必要だという確信があったので、他の役員へ熱を持って伝えた記憶があります。なぜやるのか、1日でいいのではないかという疑問こそ当初はありましたが、徹底的にやってみようという結論になりました。
ちょうど新たな執行役員が就任するなどチームの構成も変わるタイミングで、尚且つ新年度を迎える手前ということで時期も良かったと思います。
新しいものを取り入れる柔軟さ、というのは御社の成り立ちから引き継がれている文化ですね。導入のやりとりをご一緒させていただいた私としてさらに加えたいのが、近藤さんご自身のリーダーシップです。打ち合わせの随所から、経営陣がチームとしてさらに強くなる可能性があることを信じているというスタンスが伝わってきていました。経験したことのないものを取り入れるのは誰しも恐れがあるものですが、近藤さんの情熱が皆さんを動かした、という点も抑えておきたいです。
チームコーチングはどんな体験だったのでしょうか?
ほぼ丸2日間、泊まりがけで自分たちのチームに向き合うというのは非常に貴重な時間でした。
1日目は自分たちの関係性やコミュニケーションのパターンを自覚するという時間でした。様々なワークを行ったのですが、ワークの経験やコーチのお二人からのコメントを通して普段の私たちの行動や考え方の癖がどのようなもので、それがどうチームに影響を及ぼしているのかを全員が体感できる時間でした。
そこから見えてきたものも踏まえ、1日目のプログラムが終了したあと、延長戦ということで夜に再度集まり話し合いをしました。昼間の熱量も維持しながら、お互いに耳の痛いフィードバックも含めて伝え合うことで、間違いなく私たちの関係性が一歩深まったと感じています。
日中に相互理解が進みチームの姿が見えてきたことで、深い対話をする土壌が作られていましたよね。2日目の朝の皆さんの表情から、夜の話し合いがとても充実していたことが伝わってきていました。2日目はいかがでしたか?
2日目は前日の学びから実際に行動を起こしてみることで、それぞれが手応えや成功体験を積んでいきました。無意識だったものを、意識下に変えていったのが2日目です。自分が変わることでチームがさらによくなっていく感覚があり、次の行動に繋がる、このサイクルが生まれたのです。今後の役員チームの可能性を感じられる時間でした。
元々情熱も責任感も強いメンバーが役員になっています。 合宿で刺激してもらうことで、確実な進化を感じました。
私たちとしても、役員の皆さんの2日間の変容には目を見張るものがありました。2日目に合宿の感想を話し合う時間で、「今回の合宿を通してライフネット生命の役員陣が本当の意味でチームになった」というコメントがあったのが印象に残っています。
合宿後、皆さんにどのような変化がありましたか?
合宿の約1ヶ月後に新年度のキックオフがあり、そこで「役員チームの約束」を宣言しました。誰か一人が作るメッセージではなく、全員で関わってこそ意味があるという話になり、全員が意見を出し、チームとしてのメッセージを作り上げました。
全社の方針として、重点領域における部門間連携を強化し、セクショナリズムを排除したタテヨコ組織で動くことでチーム力を上げていきたいということがあり、まずは私たちが率先垂範で行っていくことこそが重要だと考えました。ライフネット生命のカルチャーを体現するチームとして、まず自分たちがその姿を見せることを社員全員へ約束したのです。
領域ごとに戦略や戦術をプレゼンテーションすることはこれまでもよくありましたが、役員全員が壇上に並び、役員チームとしてそのあり方を宣言するというのは今回が初めてでした。アンケート結果では社員の8割ほどは好意的に受け止めてくれています。
役員の皆さんがチームとして進化し、その先を自ら描く覚悟が伺えます。今後の展望をお聞かせください。
ライフネット生命は、生命保険マニフェストとして「正直に、わかりやすく、安くて、便利に」と掲げるとともに、生命保険を時代に合わせてアップデートすることに取り組んでいます。これには社員一人ひとりの力を結集し、新たな価値を創造していくことが欠かせません。そして、私たち役員チームが率先垂範で行動することが、ブレイクスルーに繋がると信じています。私たちの姿を見た社員もさらに進化し、組織がさらに機能することで、より難しい課題や高い目標にチャレンジできることが楽しみです。
お話ありがとうございました!
ライフネット生命保険株式会社
ライフネット生命は「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」という経営理念を、「ライフネットの生命保険マニフェスト」にまとめ、営業開始から一貫してお客さま視点に立った生命保険をお届けしています。オンライン生保のリーディングカンパニーとして、デジタルテクノロジーを活用しながら、「安心して、未来世代を育てられる社会」の実現を目指します。