センスメイキングとは?
センスメイキングとは
センスメイキングとは、答えの見えない中で行動するために、自分たち自身で答えを作って納得して行動することを推奨するマネジメント手法です。
”正しい答え”を待っていては前に進めない、もはや導き出すことが不可能な場合も多くあります。そこで、手がかりをもとに、全体像を見て、点と点をつないで全体的なパターンを見極めていくのです。精緻な正確さよりも、自分たちが意味づけし、見出した納得感やもっともらしさを指針に推進していく、それがセンスメイキングの考え方です。複雑性が高く不透明、常に変化し続ける世界において、センスメイキングの力はより重要なものになってきています。
センスメイキングの概念自体は1970年代に組織心理学者のカール・ワイク氏が提唱したもので、経営学において現在も注目されている分野のひとつです。ロジカルシンキングによるマネジメント手法の限界が指摘される中で、「OODA」や「デザイン思考」等の概念同様、「直観」を活用した手法として注目されています。
従来型問題解決
論理的に結論を導くことができるが、特に否定的な意見を持つ際など、納得性が不十分となり、結果として実行につながりにくくなる場合がある
センスメイキング型問題解決
直感や感情を勘案した結論や合意形成に導くことができる。結果として実行につながりやすくなる。(論理+直感という点でデザイン思考と同じ潮流とも言える。)
その手法ゆえ、センスメイキングは、特に先行きが不透明な場面や、何らかの変化が起こっている場面にて効果を発揮します。そしてまた、センスメイキングには、必ず行動が伴います。行動を起こすことで、環境に働きかけ、変革を促すこともできるという意味で、センスメイキングは、新しい未来を創るプロセスでもあるのです。
センスメイキング理論が効果的に働くケース
External Factors
- 様々な環境変化
- 景気変動
- 新技術発展による業界構造の変化
- キャリアモデル不在など
Organizational Change
- 経営陣の刷新
- 事業継承
- 組織やプロジェクトの立ち上げ
- 次世代育成
- 新規任用や役割変更など
Intended Change
- 前向きな変化
- 新規ビジネス/多角化
- ベンチャーの成長推進
- IPOなど
センスメイキングのプロセス
センスメイキングのプロセスは、「気づく」→「意味づける」→「行動する」となります。
「気づく」とは「現状分析」とは異なり、環境を認知するだけでなく、組織やチームの現状を俯瞰的に捉え、これらの情報を感知していきます。このとき気づいた情報は、センスメイキングの手がかりになります。
「意味づける」で重要なのは、組織メンバーによる「腹落ち」です。精緻な分析によって戦略を作るのではなく、みんなの納得できる方向性をつくることにあります。
ここまでの気づく・意味づけるのプロセスは、過去の経験やデータ、アイデンティティや価値観、そして環境が影響するものです。そのため、同じ事象を取っても、組織やチームによって解釈や意味づけの方向性が異なることは当然のように起こります。
「行動する」は、従来型の戦略ステップには含まれていないものの、本当に組織を動かすには必要不可欠なステップである。それについても言及しているのが、センスメイキングループの新しいところです。
私たちはそのセンスメイキングをマネジメント実践に応用し、組織変革や新規事業開発において効果を発揮しています。理論を前提により活用しやすいよう、その流れを5つの要素に区分し、「センスメイキング・ループⓇ」と称しています。
このループを回すことによってセンスメイキングを実践していきます。これからの世の中で事業や組織を前に進めるために、センスメイキングができる組織基盤を創ることは、ますます重要になってくるのではないでしょうか。