変化のタイミングで大切なこととは?
変化は、起こすものであり、かたや自然発生しているものであり、面白いものであり、苦痛を強いるものであり、新しい世界を拓く前向きなものであり、ある時代を終える寂しさを感じさせるものだと思います。
そうした変化に対し、私が共感するスタンスは下記の言葉に示されています。
The only way to make sense out of change is to plunge into it, move with it, and join the dance.
その変化に意味を見出す唯一の方法は、その変化に飛び込み、共に動いてみることです。
Alan Watts
ただこれを実際に行うのは、大変な苦労が伴うことでもあると理解しています。
例えば、
- 幼少期から醸成されてきた習慣やメンタルモデルが揺さぶられる場面
- 会社間でのMAや急激な成長によってこれまでの慣習や風土が変化を求められる場面
- 外部環境の影響により、売上規模の大きい既存事業の方針変更を余儀なくされる場面
これまで疑問を抱くこともないほどにあたりまえにあるものや、無意識で行われていたことを変えるということは、今手にしているもの、今まで普通にしてきたことの何らかを手放すことです。この揺らぎの過程では、困惑や失望、焦りや渇望、居心地の悪さなど様々な拒否反応が生まれます。
こうした物理的にも精神的にも影響の大きい変化は、一朝一夕には成し遂げられません。
根気よく、変化と共に動き続けるには、チャレンジし続けられる物理的・心理的環境の整備、変化した先=ゴールのリアルなイメージ化、そして胆力が必要です。
また、その変化が外圧に対するだけのものであるならば、一時的なものに留まるか、どこかで綻びが生じてしまいます。
想像してみてください。「あなたは(またはこの会社は)、今こそ変わったほうがいい、変わるべきだ」と周囲から言われたらどうでしょうか?仮にそれが理論的に正解であったとしても、感情的には「余計なお世話だ、あなたに言われたくない」となる方もいるのではないでしょうか。
つまりは、何かしらの外部影響がきっかけであったとしても、最終的には自身の心で変化することを選択する必要があるのです。まさに、必要なのはセンスメイキングのプロセスだと思います。
変化に対する納得感と未来への期待や希望、そして主体者の意思がない限り進まないものです。
そして変化のタイミングで、忘れてはならないとても大切なことは、今と未来だけでなく、過去にもしっかり目を向けることです。これまでの大変な状況を生き抜いてきたことを敬意し労うこと、そしてすでに持ち合わせている独自の強みを認知すること、意図して変化させないことも明らかにすることが重要です。
このことにより、現在に至るまでがそうだったように、これからもあらゆることを乗り越えていけるという主体性の根っこを見出すことができます。その根っこは、新たなチャレンジへと向かう底力になるものです。